創業融資は自分一人でも申し込むことが出来ます。
本ページでは、創業融資を自分一人でやる場合のノウハウをお伝えしたいと思います。
創業融資には、ざっくり分けて2種類あります。
まず第一は、なんと言っても政府100%出資の金融機関である、日本政策金融公庫からの創業融資。
もう一つは、市区町村が金利を大部分負担してくれる制度融資です。
日本政策金融公庫からの創業融資は自分ひとりでも申し込むことが出来ます。
一般的には税理士に創業融資支援を依頼して、一緒に顧問契約も依頼するケースが多いのですが、実は自分だけで申し込むことも出来てしまいます。
この場合は、「新創業融資」という制度に申し込むことになります。
(税理士に依頼する場合には中小企業経営力強化資金という制度になるので、若干制度が異なります。)
日本政策金融公庫のウリは、なんといっても無担保・無保証人で融資が受けられることです。
創業時に無担保・無保証人で借りられる融資は、ここだけと考えてよいと思います。
■新創業融資の概要(公庫のオフィシャルHPより要約)
・融資限度額 :3,000万円(うち運転資金1,500万円)
・担保、保証人 :原則不要
・利率 :2.35%(平成28年9月9日)
・返済期間 :運転資金の場合5~7年程度
※融資限度額は3,000万円の記載がありますが、実際の無担保融資の上限は1,000万円とお考えください。制度上の3,000万円の上限まで通ることはほとんどありません。
この1,000万円というのは、支店での決済上限額となり、1,000万円超になると本店の決済が必要になってしまうので、ほとんど取り扱ってくれませんのでご注意ください。
ここからが具体的な手続きの話になります。
①新創業融資を自分でやるには、まず事業所の最寄りの日本政策金融公庫の店舗に行って、書類をもらって来てください。
この際に、新創業融資といえばスムーズです。
書類は、創業計画書、借入申込書は必ず必要で、その他源泉徴収票や住宅ローン明細などの必要書類を用意します。それ以外は任意の書類も追加します。
②必要書類を用意して、窓口へ提出。
ここで書類に不備があると、再提出等が必要になります。
その後1・2週間程度で担当者が決定して、面談日の連絡があります。
③公庫担当者との面談があります。
色々な角度からの質問がされます。
よくある質問として、競合他社の存在、利益率の妥当性、集客ノウハウ、経営者のこれまでの経験、自己資金の内容などなど。
質問内容は面接官によりさまざまですので、創業融資を自分でやる場合にはこの辺の対策がとても難しいです。ある意味、出たとこ勝負となります。
(税理士に依頼した場合ですと、その税理士事務所の担当者=面接官ですので、質問の傾向を熟知していますので、この辺は多少違ってきます。)
④面談終了後には、追加資料の請求、現地確認、その他の確認などが行われます。
そして、面談終了後3・4週間程度で融資実行の結果が出て、その約1週間後には融資が実行されます。
自分でやる場合 | 税理士に依頼する場合 | |
融資制度 | 新創業融資 | 中小企業経営力強化資金 |
担保・保証人 | 無担保無保証人 | 無担保無保証人 |
融資限度額 | 1,000万円 | 2,000万円 |
金利(28/9) | 2.15% | 1.65% |
事業計画 | 自分で作成 | 税理士がバックアップ |
創業計画書 | 自分で作成 | 税理士がバックアップ |
申し込み | 自分で提出 | 税理士が提出 |
面談対策 | 出たとこ勝負ですが、ネットで調べると体験談を書いている方もいますので、参考にしてみてください。 | 面談担当者の特徴を熟知 |
面談 | 1対1 |
税理士同席(2対1)で、質問に詰まった時は税理士がフォローできる。なお、面接官=担当者は異動があるまでずっと同じ人となるので対策できる。 |
コスト | ゼロ |
融資決定額の2.5%(完全成功報酬のみ) |
融資可能性 | 30%以下と言われています |
95%以上(弊事務所2016年実績) |
その他 |
公庫融資の決定の有無が、他の制度融資等への審査に影響するため、公庫融資の対策が最重要となります。 制度融資に申込む際に、金融機関側で公庫融資の結果を参照しているようです。
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