こんばんは。創業融資支援・中小企業税務に強みがある東京文京区本郷の税理士事務所、いなほ会計の齋藤です。
株式会社がTOTAL20万円程度で設立できる時代となり、会社設立の話は多いですが、会社清算をしたがらない方が多い。なぜか?
会社清算をきっちり行うと、解散決議の後に清算人を選定して会社精算。
清算時に残余財産を株主に分配して、ようやく法人格が消滅します。
ここで、解散時に決算を組み税務申告をして、その後清算時にも決算を組み税務申告をする必要があります。税理士報酬の相場では、解散申告と清算申告で20万円~40万円程度。ここで、清算時に「みなし配当」が出ちゃったりすると実務上煩雑になってきます。
その他、解散登記・清算人選任登記・清算登記にも登録免許税等が発生します。ほとんどの場合、事業が悪化して会社清算をするのに、そのコストを払うことは実際のところ困難(と言うより払いたくないと考える方が多い)です。
そこで、会社を解散せずに「休眠」状態にして、ゾンビ会社として放置する方が多く存在します。
会社法では「みなし解散」の制度があり、自ら解散の手続きを行わなくても、一定期間(最後に行った登記から12年間)休眠会社を放置しておくと、解散手続きが強制的に行われます。
その後3年経つと、会社は解散前の事業が出来なくなります。
(ただし、これは自動的に会社精算が行われることを意味しません。会社をきっちりと閉じるには、清算手続きを行って清算結了が必要となります。)
解散コストを回避するために、12年間以上ゾンビ会社を生かしておく。なんだか気持ちが良いものではないですね。
会社を清算せずに休眠状態にして、ゾンビ状態で放置された会社は、実際多く存在します。
この場合、気になるのは休眠中の会社の住民税均等割ですが、都道府県、市区町村の運用では休眠会社の届出書を提出すれば住民税均等割は課されないという運用を行っているようです(必ず都道府県税事務所等にご確認ください)。これは運用ルールであって、法定の制度ではありません。
ただし、この場合でも法人税等の毎年の国税の申告義務は残りますので、毎年の税務申告は必要となります。解散コストを回避するために、12年間法人税申告書を出すというのはやや大変です。
また、会社を精算せずに「休眠」させる手法は公に認められた手法ではありませんので、取締役の改選登記義務違反等の各種義務違反が生じ、その他過料ががっつりと課されてしまいますので、ご注意ください。
※会社解散・清算をご希望の場合は、弊事務所では司法書士と連携してワンストップで手軽にサービス可能です。お見積りも承りますのでお申し付けください。
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